Wikipedia:外来語表記法/イタリア語

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この文書は、イタリア語由来の外来語について、表記を決めるための参考資料を提示するものです。特定の表記を強制するものではありません。もちろん、編集は大胆に。

この文書を利用する際には、Wikipedia:外来語表記法も参照してください。

イタリア語からカナ書きに変換する場合は、ほぼ規則的に変換出来るものの、変換規則は決まっていないため訳者によって微妙なばらつきが生じる。比較的古くから使われて来た言葉は誤用が定着した物もある。また、企業名や商品名などはイメージ戦略としてイタリア語の発音に忠実に行わない場合もあり注意が必要である。

文字[編集]

アクセント・発音[編集]

基本原則[編集]

  • イタリア語由来の外来語は、片仮名書きを原則とする。必要に応じて原語文字表記を括弧書きする。
  • 検索の便を考え慣用を重視するが、イタリア語の発音も尊重し、必要に応じてイタリア語原音に近いカタカナ表記を併記し、リダイレクトも用意する。

人名[編集]

  • 日本で一般に利用されている表記を尊重してください。
  • イタリア語圏での慣習にあわせて「名・姓」の順に記載してください。
  • 名と姓の間は「・(中黒全角)」で区切ってください。
  • ハイフンがある場合は、「=(全角等号)」で結合してください。
  • 西ローマ帝国滅亡前の人名は、ラテン語表記を優先します。

地名[編集]

  • 日本で発行されている地図に用いられる標記を尊重してください。
  • 空白は「・(中黒全角)」で区切ってください。
  • ハイフンがある場合は、「=(全角等号)」で結合してください。

企業名[編集]

  • 日本に支社がある場合は、支社が用いている表記を尊重してください。

そのほか[編集]

  • 人名・地名に由来する名称(航空機名、艦船名など)は、もとの人名・地名に合わせるか、少なくとも関連が容易に分かる表記を選んでください。

表記例[編集]

人名[編集]

地名[編集]

飲食物[編集]

そのほか[編集]

イタリア語由来の外来語[編集]

参考[編集]

綴り別細則[編集]

見出しの書式は次の通り。

  • 語頭の綴りは re-、in- の様に後ろにハイフンをつける。
  • 語尾の綴りは -ia、-no の様に前にハイフンをつける。
  • その他の場合は、どちらもつけない。
  • イタリア語は綴りと発音の乖離はほとんどないが一般的に知られていない。そこで[ ]内に見出しが意図する発音をIPAで表した。

括弧書き文については次の通り。

  • 一般 - 内閣告示『外来語の表記』に準じたもの。一般にマスコミ等の表記で使われているもの。
  • 発音 - 発音を重視して表記したもの。
  • 慣用 - 慣用的に使われているもの。 内閣告示『外来語の表記』で慣用としているもの。
  • ○○学会 - その学会の学術用語集で採用しているもの。
  • 記者ハンドブック - 共同通信社『記者ハンドブック』で採用しているもの。

リンクは、現在でのウィキペディア日本語版での状況をわかりやすくするために、記事名に採用されているもののみにつけた。

撥音[編集]

撥音は「ン」を用いる。詳細はnの項、mの項を参照

促音[編集]

イタリア語には音素として存在し、促音のあるなしで区別する単語もあるので、できれば記述する。

慣用としてアクセントが促音になっているものがある。

促音の部分が長音になっている慣用もある。

  • Azzurri - アッズッリ(発音)、アズーリ(慣用)

促音が省略される慣用は多い。

長音[編集]

イタリア語では長音を区別しないが、単語を単体で発音するとアクセント位置が長くなる(単子音の場合は顕著)のでこれを記す。特に単語の後ろから2番目の母音で顕著である。

二重子音の前の母音は長音としない。ただし、brやtrの前など実際の発音では長音になりえる物もある。

後ろから2番目でないアクセントは特に記さないことが多い。

  • caffè - カッフェ

二重母音は長音とせず、イタリア語の発音通り二重に記述する。

長音を記さない慣用は多い。

  • Milano - ミラーノ(発音)、ミラノ(慣用)
  • Assisi - アッシージ(発音)、アッシジ(慣用)

母音省略[編集]

Montepulciano d'Abruzzoのように前置詞+母音を含む名詞の場合は、モンテプルチャーノ・ダブルッツォの様につなげて表記する。ただし、Francesco d'Assisiのような全体として名詞になっていないものはアッシジのフランチェスコのように分離してもよい。

a [a][編集]

子音の後ろ以外はアとする。

b [b][編集]

バ行(バ・ビ・ブ・ベ・ボ)を用い、ヴ行(ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ)は誤りなので使わない。

次が他の子音の場合はブ。

c[編集]

次がcやq以外の子音の場合はク。

ca [ka][編集]

カ。キャは誤り(キャはchiaである)。

ce [ʧe][編集]

チェ。ケ、セ、ツェは誤り(ケはche、セはse、ツェはzeである)。

例外的な慣用表記もある。

che [ke][編集]

ケ。チェやシェは誤り (チェはce、シェはsceである)。

chi [ki][編集]

キ。チやシは誤り(チはci、シはsiあるいはsciである)。

次に母音が来る場合、拗音表記とすることもある。

ci- [ʧ][編集]

チャ行(チャ・チ・チュ・チェ・チョ)を用いるが、チア・チウ・チエ・チオも慣用で存在する。

ciaは、iにアクセントがあればチーア、なければチャである。

  • farmacia - ファルマチーア
  • marcia - マルチャ

cieは、iにアクセントがあればチーエ、なければチェである。

  • farmacie - ファルマチーエ
  • cielo - チェーロ

前にsがつく場合は、sc-の項を参照。

co [ko][編集]

コ。

  • Como - コ-モ(発音)、コモ(慣用)

cu [ku][編集]

ク。

d[編集]

ダ行(ダ・ディ・ドゥ・デ・ド)。次が他の子音の場合はド。

di [di][編集]

一般にはディ。まれにデ・ヂとする慣用もある。

du [du][編集]

本来はドゥだが、慣用でデュとするが半母音要素はないので誤用である。ヅは用いない(zuの濁音のため)。

  • duca - ドゥーカ(発音)、デューカ(慣用)

e[e][編集]

子音の後ろ以外はエ。

f[f][編集]

f音はファ行(ファ・フィ・フ・フェ・フォ)を使う。

他の子音の前ではフ。

g[編集]

gは一種の記号のような形で使用されるため注意が必要である。他の子音の前ではグ。

ga [ga][編集]

ガ。

ge [ʤe][編集]

ジェ。ゲは誤り(ゲはgheである)。

gh- [g][編集]

gheはゲ、ghiはギ。

gi [ʤi][編集]

ジ。ギは誤り(ギはghiである)。

  • Girolamo - ジローラモ

さらに母音が続く場合は、ジャ行(ジャ・ジ・ジュ・ジェ・ジョ)を用いるが、ジア・ジイ・ジウ・ジエ・ジオも慣用で存在する。

iにアクセントがある場合、giaはジーア、gieはジーエとなる。

  • energia - エネルジーア

gli [ʎ][編集]

リ。アクセントが来た場合は、促音となるのが標準イタリア語であるがカナ書きでは慣用として長音で記す事が多い。グリと書かれた場合ほとんどが誤りだが、[gli]と言う発音もまれにあるので注意(語頭など)。

gliaの場合は、リアとリャの表記がある。

  • Cagliari - カリャリ(発音)、カリアリ(慣用)

gn [ɲ][編集]

ニャ行(ニャ・二・ニュ・ニェ・ニョ)とする。慣用としてはナ行や、ニ+ア行、ン+ニャ行が存在する。グを入れるのは誤り。

go [go][編集]

ゴ。

gu [gu][編集]

gua[編集]

発音重視ならグァだが、グアと表記する。ガは誤り(ガはgaである)。

h[編集]

hはそれ自体は無音で、たとえばhaは発音の上ではaと同一である。イタリア語では一種の補助記号として用いられており、他の子音字と組み合わされて発音を表す(gh-やch-など)。hを発音する固有名詞は基本的に外来語である。

i, j, y[編集]

子音の後ろ以外はイ。

ia, ja [ja][編集]

イ列やエ列の次にくるア音は「ア」と表記することが内閣告示『外来語の表記』の原則。「ヤ」と表記する慣用もある。gnaは原則の範囲外なので「ニャ」とすること。

ie, je [je][編集]

一般的にはイエ。発音重視ならイェ。

  • ieri - イエーリ、イェーリ

ju [ju][編集]

一般的にはユ。

l[編集]

ラ行。次が他の子音の場合はル。

ll[編集]

促音で表わす場合と表わさない場合はまちまちである。アクセントでない場合は促音で表わさない傾向がある。実際の発音から遠いが、ル+ラ行表記もある。

m[編集]

マ行。 語末に来ることはまれだが、ム。

合成語の途中に来る時には慣用としてムもある。

mの次が唇を閉じる子音(p.b.m)の場合は撥音ン。

mm-[編集]

mが続く場合は撥音ン + マ行。

  • mamma - マンマ
  • Mimmo - ミンモ

慣用としてンを省略しマ行だけとする。

n[編集]

ナ行。

nの次が子音の場合は撥音ン。

語末に来ることはまれだが、ン(ヌとも聞こえるような音)。

  • Benetton - ベネットン(発音)、ベネトン(慣用)

nn-[編集]

nが続く場合は撥音ン + ナ行。

  • Anna - アンナ
  • Gennaro - ジェンナーロ

慣用としてンを省略しナ行だけとする。

o[編集]

子音の後ろ以外はオ。

p[編集]

パ行。

次が他の子音の場合はプ。

qu- [kw-][編集]

クワ・クウィ・クウェ・クウォ、もしくは、クア(クァ)・クイ(クィ)・クエ(クェ)・クオ(クォ)。quiはキとならない。queはケとならない。

r[編集]

ラ行(ラ・リ・ル・レ・ロ)。

次が他の子音の場合はル。

rr[編集]

促音で表わす場合と表わさない場合はまちまちである。アクセントでない場合は促音で表わさない傾向がある。実際の発音は促音ではなく子音2つ分の歯茎ふるえ音であるため、ル+ラ行表記もある。

s[編集]

[s]と[z]の発音がある。次の文字がbdglmnrvの時は[z]である。

  • Chiusdino - キウズディーノ
  • Sigismondo - シジズモンド
  • Costa Smeralda - コスタ・ズメラルダ

母音に挟まれた時も基本的に[z]である。

その他は[s]である。

慣用的に[z]の発音を[s]とする場合も多い。

  • Pisa - ピーザ(発音)、ピサ(慣用)

sc [ʃ][編集]

/ʃi/と発音するsciはシとする。

sciaはシャ[ʃa] と発音するが、慣用ではシアとも。

  • Brescia - ブレッシャ(発音)、ブレシア(慣用)

sciuはシュと発音するが、慣用ではシウとも。

/ʃe/と発音するsceはシェとする。

scioはショと発音する。

直前の母音がアクセントであれば、促音となるのが標準イタリア語であるがカナ書きでは慣用として長音で記す(または省略する)事が多い。

その他は、sca(スカ)、sco(スコ)、scu(スク)である。

si [si]/[zi][編集]

シまたはジとする。発音を尊重してスィ、ズィとする場合もある。

ss [ss][編集]

ッ + サ行。

t [t][編集]

タ行(タ・ティ・トゥ・テ・ト)。子音tのみの表記はトが一般的。トゥも時々使われる。

ti [ti][編集]

一般にはティだが、チとする慣用もある。

tu [tu][編集]

トゥ。まれにツやトの慣用もある。

  • Juventus - ユヴェントゥス(発音)、ユヴェントス(慣用)

u[編集]

子音の後ろ以外はウ。ユは誤り

例外としてaとなっている例。

  • Trussardi - トルッサルディ(発音)、トラサルディ(慣用)

v [v][編集]

発音重視の場合には、ヴァ行(ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ)を用いる。一般的(マスコミ等)には、バ行(バ・ビ・ブ・ベ・ボ)を用いる。次が他の子音の場合はヴ。

x[編集]

標準イタリア語では[ks]発音。

ジェノヴァ方言、サルデーニャ語などでは異なる。

序数を表すローマ数字として。

z[編集]

[ts]か[dz]であるが、基本的に不規則。語頭は[dz]が多い。固有名詞ではどちらか不明な場合もある一方、どちらでも構わない単語もある。

[ts]はツァ行、[dz]はザ行とする。[ʣ]はヅァ行で表記されることもある。

地名の-zia、-za、-zeはラテン語の-tiaから来たものであれば、[ʦia]である。

  • Pomezia - ポメーツィア
  • Vicenza - ヴィチェンツァ
  • Firenze - フィレンツェ

ツァ行の発音は、慣用的にチャ行で代用されることが多い。

参考文献[編集]

関連項目[編集]