石川徹

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石川 徹(いしかわ とおる、1913年〈大正2年〉3月30日1997年〈平成9年〉9月10日)は、東京市芝区高輪生まれの日本国文学者である。愛知教育大学名誉教授。

中古文学、特に源氏物語と前後の物語(近世以前)研究が専門である。

来歴[編集]

東京府立第六中学校(現:東京都立新宿高等学校)、東京府立高等学校(現:首都大学東京)を卒業した。1936年(昭和11年)に東京帝国大学(現:東京大学)文学部国文学科を卒業した(卒業論文「古代小説の構想の展開」)。

旧制新潟県立新潟中学校(現:新潟県立新潟高等学校)・愛知一中・府立第六中学校教諭を務めた。1945年(昭和20年)9月に神戸女学院専門学校教授に就任し、関西学院大学講師を兼務した。1947年(昭和22年)正月に愛知第一師範学校講師、2月に教綬に着任した。1949年(昭和24年)から1974年(昭和49年)4月まで、愛知教育大学(元愛知学芸大学)教授、名古屋大学講師等を務めた[1]

1974年(昭和49年)に東京女子医科大学教授に就任し、1978年(昭和53年)定年退職後、同年から1997年(平成9年)まで帝京大学文学部教授を務めた。その間、名古屋大学・中央大学・理科大学・お茶の水女子大学大学院・日本女子大学講師などを務めた。

人物[編集]

父・石川剛は第一高等学校の仏文教授で仏国の文学博士、兄・石川登志夫は仏文学者である。相撲、剣道、将棋、落語、講談、歌舞伎、映画などの趣味を持った[2]

昭和61年(1986年)4月29日、勲三等旭日中綬章を受勲。 平成9年(1997年)9月10日、正四位に叙せられる。

著作[編集]

単著[編集]

  • うつほ物語秘琴抄(1950年 川瀬書店、復刻版 1999年 クレス出版)
  • 古代小説史稿-源氏物語と其前後-(1958年 刀江書院、増訂版 1996年 パルトス社)
  • 平安時代物語文学論(1979年 笠間書院)
  • 王朝小説論(1992年 新典社 ISBN 978-4787940469
  • 楊梅園歌文集 (1992年 武蔵野書院 ISBN 4-8386-0373-8)

共編著*監修[編集]

  • 狭衣物語(一)(1954年 騒人社 松村博司と共編)
  • 日本古典全書 狭衣物語 上(1965年 朝日新聞社 松村博司と共著)
  • 日本古典全書 狭衣物語 下(1967年 朝日新聞社 松村博司と共著)
  • 平安時代の作家と作品 (1992年 武蔵野書院)

校訂など[編集]

  • 源氏物語 桐壺(1951年 日進社出版部、松村博司と共編シリーズの内の担当書)
  • 源氏物語 橋姫・浮舟 (1952年 文京書院)
  • 源氏物語 須磨 (1953年 日進社出版部、松村博司と共編シリーズの内の担当書)
  • 中学生の古典文学 竹取物語(1956年 至文堂、長谷川昭子と共訳)
  • 宮内庁書陵部蔵 青表紙本 源氏物語 末摘花(1968・1979・1981・1991年)新典社
  • 校注 夜半の寝覚1981年 武蔵野書院
  • 新潮日本古典集成 大鏡(1989年、新潮社ISBN 9784106203824;2017年 新装版、ISBN 9784106208317

分担執筆[編集]

1 解説等項目

  • 「玉かつら」 『源氏物語とその人々』(井本農一編 1949年 紫の故郷舎)
  • 「現代かなづかいについて」 『現在の国語国字問題』(愛知第一師範学校教育研究所・中部国文学会共編 1949年 川瀬書店)
  • 「日本文学研究文献解題」(一般)
  • 『日本文学講座』第8巻(折口信夫・久松潜一・片岡良一監修 1951年 河出書房)
  • 『日本文学講座』(増訂版)第7巻(折口信夫・久松潜一・片岡良一・麻生磯監修 1955年 河出書房)
  • 「宇津保物語」 『日本文学史 中古編』1955年『改訂新版 日本文学史 中古編』1964年『新版日本文学史2中古』1971年(久松潜一編 至文堂)
  • 「人名用漢字別表」・「当用漢字表補正案」 『国語ハンドブック』(愛知学芸大学名古屋教育研究所編 1958年)
  • 「源氏物語解説」他、数項目 『永遠に生きる 源氏物語展』(朝日新聞名古屋本社企画課編 1959年)
  • 「宇津保物語」「石清水物語」 『世界文学大事典』(平凡社 1959年)
  • 「大鏡」  講座『解釈と文法』第4巻(明治書院 1960年)
  • 「宇津保物語」・「落窪物語」・「竹取物語」・「堤中納言物語」・「平中物語」 『日本文学鑑賞辞典 古典編』(吉田精一編 1960年 東京堂)
  • 「宇津保物語」・「源氏物語」 『国文学集覧』(中部国文学会編 1963年 くろしお出版)
  • 「古典の学習指導」 『国語教育法』(大学国語教育研究会編 1964年 くろしお出版)
  • 「うつほ物語」の項を野口元大と分担 『平安朝文学史』(久松潜一・西下経一編 1965年 明治書院)
  • 「源氏物語語彙辞典」 『源氏物語必携』(秋山虔編 1967年 學燈社)
  • 「宇津保物語」 『新潮日本文学小辞典』(1968年 新潮社)
  • 「末摘花」巻の解説・系図・注 『宮内庁書陵部蔵青表紙証本源氏物語』(山岸徳平・今井源衛編 1968年)
  • 「物語文学の成立と展開」 『講座日本文学』第3巻『中古編I』(全国大学国語国文学会監修 1968年 三省堂)
  • 「末摘花」・「明石の上」 『源氏物語講座』第3巻・第4巻 (1971年 有精堂)

2 所収論文

  • 「光る源氏と輝く藤壺-勢語の発展としての源語の主想-」 『源氏物語講座中巻』(東京大学源氏物語研究会編 1949年 紫の故郷舎)
  • 「土佐日記に於ける虚構の意義」 『国文学の新研究』(藤村博士帰還記念論文集・中部国文学会共編 1958年 愛知書院)
  • 「うつほ物語の人間像-源氏物語との比較を中心に-」 『宇津保物語論集』(宇津保物語研究会編 古典文庫 1973年)
  • 「物語文学論-物語文学の本質と王朝小説の推移-」 『日本文学の全貌』(中部国文学会編 1951年)
  • 「うつほ物語の著作年代と作者」 『宇津保物語新論』(宇津保物語研究会編 古典文庫 1958年)
  • 「宇津保物語出典新考」 『宇津保物語新攷』(宇津保物語研究会編 古典文庫 1966年)
  • 「紫式部日記管見-「思ひかけたりし心」をめぐって-」 『源氏物語とその周辺-古代文学論叢第二輯』(紫式部学会編 1971年 武蔵野書院)[3]

国立国会図書館著者名典拠検索参照

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 石川徹 1974, pp. 6-11.
  2. ^ 長野甞一 1961, p. 139.
  3. ^ 石川徹 1974, pp. 12~13.

参考文献[編集]

  • 長野甞一「学者評判記三十三 石川徹の巻」『国文学 解釈と鑑賞』昭和36年8月号、至文堂、1961年。
  • 石川徹「自叙略年譜並著作目録」『愛知教育大学国語国文学報』石川徹退官記念号第二十七集、愛知教育大学国語国文学研究室、1974年。
  • 平安時代の作家と作品 (1992年 武蔵野書院)石川徹略歴並に主要著述目録:p557-558
  • 国立国語研究所編『国語年鑑』1989年版、秀英出版、1989年。
  • 今井源衛「今週の書評 石川徹校注『大鏡』」『週刊読書人』、読書人、1989年9月25日。